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南極からお便りが届きました

最終更新日
2024年09月24日
記事番号
P004007

吉岡町在住の気象庁職員の齋藤樹(たつき)さんが、第65次南極地域観測隊に選任され、現在南極の昭和基地で様々な活動を行っています。

このページでは、南極観測隊の概要などを紹介するとともに、齋藤さんからのお便りを掲載し、皆様に「南極での活動及び生活」をお届けしたいと思います。

意外と知られていない南極・昭和基地の場所(令和6年8月20日)[No.2]

皆さま、こんにちは。南極地域観測隊(略称:JARE(Japanese Antarctic Research Expedition))隊員の齋藤樹です。昭和基地では7月11日に極夜(太陽が終日昇らない状態)が明けて太陽が顔を出しました。約40日ぶりの太陽はあまりにも眩しく心に沁みました。やはり人間には日の光が必要ですね。私の祖父の名前は「光」、父は「光守」で叔父たちにも名前に光が入っています。亡き祖父は私の名前に「良光(よしみつ)」を勧めたそうですが、両親がこれを固辞。「樹(たつき)」になりました。
さて、話が脱線しましたが、本日は昭和基地の場所についてお話します。日本の南極の基地と言えば昭和基地を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は南極大陸上にないことをご存じでしたか?この話をすると結構ビックリされることがあります。リュツォ・ホルム湾にある南極大陸から西に4キロほど離れた東オングル島という島の上に昭和基地はあるのです。天気の良い日に東オングル島の安全エリアをぐるっと一周するのが楽しみになっています。
また、8月11日には東オングル島と南極大陸の間の海の表面が凍った海氷上にコウテイペンギンが一羽現れ、野外活動チームが撮影に成功しました。可愛いですね~。
南極生活も折り返しを迎えましたが後半戦も元気に明るく、越冬隊の良い光になれるように日々を過ごしていきたいと思います。

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2024年2月13日撮影。写真奥の白い大地が南極大陸です。現在背後の海の表面は凍り、海氷となっています。
(撮影:JARE65・齋藤樹)

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2024年8月11日撮影。コウテイペンギンのサイズは90cmほどだったそうです。
(撮影:JARE65・津町直人)

昭和基地からお届けします(令和6年6月20日)[No.1]

皆さま、初めまして。第65次南極地域観測隊(以下「第65次隊」)隊員の齋藤樹と申します。両親・祖父母が吉岡町出身で、ご縁がありこれから約半年間南極・昭和基地に関する連載をさせていただくことになりましたので、よろしくお願いいたします。
私は気象庁からの派遣で第65次隊では定常気象を担当します。気象庁からは5人の越冬隊員が通年で地上気象観測、高層気象観測、オゾン観測及び日射放射観測等を実施し、交代制で24時間365日昭和基地の大気現象を観測しています。
憧れだった南極・昭和基地に来て早くも半年が経過しようとしています。身近に現れるペンギン、雄大な南極大陸、水平線に広がる美しいオーロラなど、まるで映画の世界にいるようです。時として厳しい自然が我々を襲いますが、越冬隊27人で協力して生活しています。
昭和基地は6月初旬に極夜に入りました。南半球が冬になる位置に地球がくると、南極には太陽の光が全くあたりません。一日中太陽が昇らない日々が続いており、昼間でもわずかに空が明るくなるだけです。日本では味わえない不思議な感覚に戸惑いながらも、元気に過ごしています。

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昭和基地に現れたアデリーペンギンと自撮り(撮影:第65次隊・齋藤樹)

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2024年6月8日のオーロラ。昭和基地では晴れた日にしばしばオーロラを楽しむことができます
(撮影:第65次隊・齋藤樹)

南極地域観測隊とは?

日本の南極観測は、1957年に始まりました。昭和基地をベースに、オーロラの観測や厚い氷床の掘削、鉱物の調査や隕石の発見、動植物の調査など、幅広い活動をしています。

観測を行うのは、夏の間3ヶ月間南極に滞在する夏隊と、1年を通して南極に滞在する越冬隊です。毎年11月、砕氷船「しらせ」で日本を出発。12月に南極に到着し、短い夏の間にさまざまな仕事をします。2月1日に前の越冬隊と交代式を行い、越冬を終えた隊員と、夏隊を乗せた「しらせ」は、2月上旬に南極を出発、3月下旬日本に到着します。(環境省HPより)

齋藤さんは、第65次隊の越冬隊において基本観測における定常観測で、気象を担当されています。

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